子育ては土台づくり(78)
格物致知(かくぶつちち)
儒教の経書の中で特に重要とされている四書五経の中の「大学」に「物を格(ただ)してしかる后(のち)、知(ち)至(いた)る」という文章があります。物事の判断(格物(かくぶつ))がきちんとできれば、知性が身につく(致(ち)知(ち))という意味です。
大学では、この後に知性が身につけば(致(ち)知(ち))、意思が誠実になる。意思が誠実になれば(誠意(せいい))、正しい心になる。正しい心が身につけば(正心(せいしん))行いが正しくなる。行いが正しくなれば(修身(しゅうしん))家をととのえることができる。家をととのえることができれば(斉家(せいか))、国を安定させることができる。国を安定させることができれば(治国(ちこく))、世の中がおさまる(平(へい)天下(てんか))。とあります。
例えば、正しい判断するときの基準を子どもたちに教える場合、次の2つを基準に教えると良いです。
- 人に迷惑をかけていないか、人として間違っていないか
- 人の役に立っているか、世の中の役に立っているか
このような考えの基準のもとで繰り返し子どもたちに教えていけば、善悪の判断がきちんとできるようになります。時には失敗をすることもあるかもしれませんが、良い行いを快く、悪い行いを不快に感じるられるような感性が育ちます。
行動は、その人の内面にある意思や心の表れであります。
学芸としての学力・知識の習得だけでなく、学問として、広い視野を持って考え、判断し、行動出来る人としての道に導いていくことが教育の一つでもあると思います。