子育ては土台づくり(133)東愛知新聞連載中(2021年2月24日)

子育ては土台づくり(133)

自制心を幼児期から育てる

子どもは成長と共に自分の意志で行動の多くを決めるようになっていきます。そこで、学校のテスト勉強をやらなくてはいけない場合、子どもの生活圏にスマホ、iPad、テレビ、ゲームなど、子ども達にとっては楽しいアイテムがたくさんある中、勉強に集中するためには、自制心が必要となってきます。もちろん、大きくなってから努力で身に着けることも可能ですが苦労が伴います。自制心を育ててあげるには、幼児期が最適という考えが浸透してきています。

まず、していいことと、いけないことを家庭内でルール決めをして一貫性のある接し方をする必要があります。そして、してはいけないことをした時は、繰り返し伝えます。

今回は、自制心に繋がる我慢の例をお伝えします

0歳・1歳では、ちょうだい遊びが良いと思います。0歳の赤ちゃんにとって、気に入って遊んでいるのに中断して、おもちゃを相手に渡すことは、とてもつらいものです。「ちょうだい。」と言っておもちゃなどを「はい、どうぞ。」と差し出せるように教えます。出来たら褒めてあげます。したいことを我慢して気持ちを切り替え、次の行動に移すことは、自制心を育てるトレーニングになります。

例えば、2歳・3歳で、公園で楽しく遊んでいて、帰るために遊びを止められる時、おそらく気持ちの整理が出来ず、泣きわめくことがあると思いますが、その時、同時に「もっと遊びたかったのね。我慢してつらいのね。我慢出来てえらいのね。」というように子どもの気持ちを言葉で代弁し、共感した上で、気持ちを切り替えさせ、次の行動に移させるようにします。その時、深呼吸をさせると気持ちが落ち着きます。子どもに根負けせず、根気よく繰り返し、一貫性のある接し方をしていくと、次第に我慢が出来るようになってくるでしょう。

マシュマロテストというアメリカの研究結果があるのですが、4歳前の子どもにマシュマロを目の前に見せ、15分我慢させ、我慢出来たらもう一つあげるという実験です。我慢出来た子は、その後も自制心が続くという結果でした。将来の学力や社会的成功に繋がるのだそうです。

幼児期に我慢を学ぶことは、自分のしたいことや感情をコントロールする力を育み、自制心がある子に育てます。