子育ては土台づくり 137

子育ては土台づくり 137

無限の可能性

子育てをしていると、自分の経験や考え方の範囲内で子ども達を見てしまいますが、無限の可能性があると思って子育てをすることが大切です。

生物には無限の可能性があるという考え方の例として、1985年のつくば科学万博で紹介されたハイポニカ農法というトマトを育てる農法があります。

通常のトマトは、一つの株に20~30個のトマトの実がなりますが、ハイポニカ農法で育てると一万個以上育ちます。ハイポニカ農法は、水耕栽培と言われる方法で育てます。トマトが成長(特に根)が疎外されないように環境を整え理想的な栄養を与えるとトマトの根が想像以上に育ちトマトの巨木ができます。この農法を開発した故野澤先生は、ハイポニカ農法で一番大切なことは、トマトに言葉掛けをすることだと言っていました。「大きく育ってね。」病気になりそうな時は、「がんばってね。」など励ましの言葉掛けをするそうです。

一つの株で一万個以上のトマトを育てるには、育てる環境も大切ですが、育てる人の言葉掛けや意識が大切ということになります。

例として、ピグマリオン効果という興味深い実験があります。

子ども達を2つのクラスに分けます。

学力的には、同じ位ですが、担任の先生に片方のクラスは、学力の高い生徒たちで今後も伸び続けることを伝えます。一年後伸びると告げたクラスは、もう一方と比べて学力が伸びたそうです。教える側の意識で生徒の伸びも変わるという効果は、「ピグマリオン効果」と言われます。

小さい頃から絵本読みなど言葉を学ぶ環境は、言葉に関する能力、読解力が育ちます。積み木やパズルなどの遊びは数学的能力が育ちます。心を育てる言葉掛けは心を育みます。良い環境を与え、プラスの言葉掛けをし、子どもの成長は無限の可能性があると思うことが大切です。

発明王のエジソンの日記には、「苦しい時は、私のすべてを受け止め、支えてくれた母の笑顔を思い出し、その無限の励ましに勇気づけられていた。」と書き残しています。