幼児教育追跡調査

2023-11-23 (木) 23:36 教室日記

「幼児期の教育は子どもの成長にどんな影響を及ぼすのか――。幼児教育の効果を確かめようと、2024年度から全国の子どもを対象にした追跡調査を始める。全国の5歳児1万5千人を対象とし、幼保から小学4年までの5年間を追う」という文部科学省の発表がありました。

年中さんの年齢の子ども達が対象になるようです。

幼児期に受けた教育が、子どもの発達や小学校以降の学習などにどういった影響を与えるか検討し、今後に役立てるということです。

1962年~1967年に行われた「ペリー就学前計画」は、アメリカのペリー小学校付属幼稚園で行われた幼児教育(就学前教育)を施し、40年にわたる追跡調査をした社会実験です。幼児教育(就学前教育)を受けなかった同じようなバックグラウンドの子ども達のグループと比較したものです。IQを高める教育を施したところ、結果として、幼児教育により非認知能力が高まり、大人になってからの人生の幸福度が上がることが実証されました。

これがきっかけとなって、幼児期における非認知能力の重要性が言われるようになりました。

世界的にみると、6歳になる歳から小学校が始まるフランスでは、2019年度から義務教育スタートが3歳になり、質の高い教育が必要という流れになりました。高校へ進学しない子どもの80%が小学校入学までに学業に問題を抱えていたことが分かり、質の高い教育を受け、読み書きを身につけてから就学します。幼稚園が義務教育です。多民族国家ならではの背景の元、学業に起因する社会的不平等を解消するためにも幼児教育に取り組んだようです。

イギリスでも5歳から義務教育になっています。

今回の日本での追跡調査は、幼保小架け橋プログラムの一環であることも踏まえると、幼児教育を人格形成の基礎を培う重要なものと捉え、小学校にスムーズに繋げられる教育を目指していくのだと思います。