東愛知新聞連載中の子育てコラムです。(2020年4月7日掲載 )
子育ては土台作り(112)
日日新たなり
殷(いん)の湯(とう)王(おう)は、洗面器の器に「苟(まこと)に日に新たなり。日日新たなり。又日に新たなりと」と刻み、毎朝顔を洗う時に、この言葉を読んで新たな気持ちで政治に臨んだと儒教の大学という書物の中に書かれています。湯王のように毎日自分の心に言い聞かせ、日々一歩でも進む向上心が人間には大切です。
人間が向上心を身に着けるためには、幼児期から小学生の間の働き掛けが大切です。この時期に物事を前向きに考えることができたり、後ろ向きに考えたりする思考法がかなり固定化されてしまいます。
「何で出来ないの。」「どうして出来ないの。」等の言葉は、出来ないことに罪悪感を持ち、今、取り組んでことから避けるようになります。
幼児期は、他人と比較せず出来るだけたくさん褒めて、愛情いっぱいの環境に育てることにより、自分が愛されているという存在感が育ち、失敗をおそれない挑戦する力が育ってきます。5~6歳頃からは、ほめ方に注意することが大切になってきます。
結果ばかりを褒めると、結果がでない時、自分には、能力がないと思い込み諦めてしまいます。結果を褒めるのではなく、努力している過程を褒めたり、毎日やっていることがすばらしいと褒めることで、諦めずに努力することを学びます。
勉強面では、100点を取ると褒められて、100点を取らなかったら褒められないと100点を取らない自分には、能力がないと思ってしまい勉強することから逃げるようになります。どこが間違っていたのかを確認して次は間違わないようにしていくことが大切です。
なわとびや鉄棒を練習して出来なくても 「毎日練習している姿が素晴らしい。」など がんばっている過程を褒め、諦めないことの大切さを伝えたり、「あなたなら出来る。」というプラスの言葉かけをすることです。